■2017年9月17日(日)
黒岳石室、午前3時。
寒さで目が覚める。九月の北海道をなめちゃいかん、ですな。
4:00起床。シュラフを片付け、炊事道具を持って外に出る。まだ薄暗いけど、いい天気。お湯を沸かしてフリーズドライの味噌汁を作り、フランスパンを千切って朝食。
だんだんと山が明るくなってきた。
5:00、日の出を見に桂月岳に登る。
桂月岳山頂からの眺め。黒岳の脇から昇る朝日。ぎりぎり間に合った。
山肌が赤く、朝日に染まる。
雲海が神々しいほどに広がる。絶景。
さて下山。
ウラシマツツジが霜で凍りつく。
早朝にしか見られない光景ですね。
石室に戻って身支度して、6:10出発。
8の字縦走を折り返す本日のコースは、黒岳石室〜北海岳〜白雲岳〜小泉岳〜北海岳〜間宮岳分岐〜間宮岳〜中岳分岐〜裾合平〜中岳温泉〜ロープウェイ姿見駅がゴール。
雲ひとつない、いい天気。紅葉も一段ときれいに見える。
チングルマの紅葉も凍る。
初夏に来れば一面のチングルマ畑でしょう。
大雪山で初めて川を渡る。こんな真っ平らな山域に川が流れていたのが予想外。
紅葉と緑の縞模様が美しい。
7:30、北海岳(標高2,149メートル)山頂到着。
ここからは8の字縦走のルートを少し外れ、白雲岳方面へ。
ハワイのマウナロアを思い出すくらい、広くて平らな山域だ。
こちらは屋久島の宮之浦岳「投石平」を思い出した。いろいろな表情があっておもしろい。
8:30、白雲岳の分岐点に到着。大きなザックはここに置いて、白雲岳を目指します。
遠く雲海の上に頭を出しているのはトムラウシかな?
大雪山の平らな山域には珍しく、白雲岳直下は岩登りもありたのしい。
9:10、白雲岳(標高2,230メートル)山頂到着。昨日の旭岳、北鎮岳に次いで、道内で三番目に高い山。
山頂からの景色。この写真ではわかりづらいのですが、山肌が緑と紅葉のゼブラ模様になっています。息をのむ絶景。
山頂にいたひとの会話から、あの遠く雲海に浮かぶ山頂はやはりトムラウシだそうです。いつかきっと。
さて下山。
あー気持ちいいい。
白雲岳の分岐点まで下りてきて、進行方向の目の前にあるなだらかな山が気になった。予定にはなかったけど登ってみよう。
小泉岳(標高2,158メートル)山頂到着。
小泉岳山頂から見た緑岳〜大雪高原方面。どこまでも広がる雲海。
丸い地球とその大きさを感じる。小泉岳、登ってよかった。
小泉岳からまた分岐点へ戻りザックを拾って、予定通り北海岳〜8の字縦走へ戻る。
苔と岩と青空が美しい。
白い雪渓と苔と岩も絵になる。
11:20、北海岳山頂に戻ってきました。御鉢平を挟んで向こう側に見えるのは北鎮岳。
縦走再開。
12:05、間宮分岐に到着。
そして、間宮岳。さらに、
12:25、中岳分岐に到着。昨日はここから中岳方面に向かいましたが、本日は裾合平を経てロープウェイの姿見駅へ帰ります。
ここから裾合平へ向かってどんどん山を下ります。
折り重なる紅葉、まるで紅葉の段々畑。
谷に下りると、湯気の立つ小川にひとが大勢。中岳温泉。
川を掘っただけ。脱衣場などなく、みんなズボンの裾をまくって足湯です。私もさっそく、
ちゃぽん。気持ちいいー。
足湯を出て、ここからは紅葉とチングルマの大群生が広がる裾合平を歩く。
木道の両脇にはチングルマの群生が広がる。
ずーっと奥までチングルマの紅葉と白い綿毛、すごい!初夏の花の季節はものすごいことになってるに違いない。
紅葉もハズレ年だと色がくすんでたり葉に黒いシミがあったりするけど、ここは葉一枚一枚が本当にきれい。
シラタマノキ
夫婦池。ロープウェイの姿見駅はもうすぐ。
15:30、姿見駅に到着。売店で缶ビールを買って、お疲れ乾杯ー!
駅では観光客・登山客含め大勢のひとが下りロープウェーに乗るための行列を成しており、我々も急ぎ並ぶ。30分くらい並んで下界へ、本日の宿は初日と同じ旭岳温泉の「グランドホテル大雪」さん。
初の北海道山歩きはケガなく、無事終了。
<おまけ>
■2017年9月18日(月)
台風18号は昨夜、私の実家に比較的近い兵庫県の明石市に再々上陸。母に気を付けるようメールすると「畑は種まきも終わったし大丈夫」とノンキな返信(笑)。
逆に私の乗る予定の飛行機が飛ぶのか心配される。それもそのはず、日本列島に沿って北上した台風は18日の午前中に北海道へ再々々上陸する予報が出ているためだ。
朝6:00起床。
雨・風ともに強く、ホテルの窓ガラスを打ち付ける。いよいよ台風がせまってきた印象。旭岳ロープウェイは今朝早々に「運休」が決定。いやー早めに下山しておいてよかったよ。
旭川駅行きのバス「いで湯号」は9:32発、ホテルの真ん前が「旭岳温泉入口」バス停。雨を避けるためロビーから外を眺めつつ、バスが来たら猛ダッシュ(笑)。旭川駅までの道路は木々の葉が落ち倒木もあり、台風の強さを思い知る。
10:56、旭川駅到着。東京へ帰る飛行機は19:35発。朝からANAのホームページを何度も確認しているが、欠航のアナウンスはない。無事に飛ぶことを信じて、空いた時間に雨を気にせず遊べる場所へ。
旭川市の科学館「サイパル」。プラネタリウムあり、様々な体験型の常設展示もあってたのしい。地震とか雪崩の疑似体験ができたり、雪の結晶を顕微鏡で観察することができるのは北海道っぽい。
科学館で過ごしている間に、ちょっと晴れ間も出てきた。
15:30まで遊んで旭川駅へ戻る。腹も減った。北海道といえば、やはり寿司が食いたい。スマホで調べて、旭川駅から徒歩10分の「二幸 本店」さんへ。開店時刻16:30に合わせて向かう。
お通しの「つぶ貝」。
上にぎり@1,800円。甘エビ、イクラ、ハマチ、マグロ、カニ、北寄(ほっき)、とびっこ、白身。
追加で。イカ、サバ、カンパチ。
あーうまかった。満足満足。
日本全国を食べ歩いたわけじゃあないけれど、国内を旅行していて美味しいと思うものはたいてい、新鮮な野菜と魚を使った料理。
といいつつ、
シメは、空港で旭川ラーメン(^^;)。やっぱこれ食べないとね。
ここ数年、秋は日程や天候に恵まれず山の色づきを堪能することができませんでした。記憶にあるのは三年前の岩手山、それ以来久々の素晴らしい紅葉山行となりました。初めての北海道、美しく広大で圧倒されるそのスケール感に「また来よう」としみじみ思うのでした。
<おしまい>