今回私たちが何故わざわざ台湾まで行って山に登るのか。
台湾で人気の山はそのほとんどが国立公園の中にあり、入山するには当局に申請して許可を得る必要があります。しかも人数制限があり、申請しても必ず登れるわけではない。
申請そのものはネットで完了するので簡単ですが、やっかいなのは現地台湾在住の身元引受人が必須なこと。申請するには身元引受人のIDナンバーや電話番号などの連絡先を入力しなきゃいけない。
仮に「台湾に知り合いなんていないよ」という場合でも、旅行会社が主催するツアーに申し込めば登ることは可能。ただし費用が20万円前後かかってしまう。身元引受人さえ自前で手配できれば、申請も山小屋の宿泊代さえも無料。
まさにそこに、私たちが台湾へ行く理由があります。
私たちにはたまたま台湾に駐在する友人がいます。が、いつかは彼も日本に帰国することになるでしょう。だったら今、台湾の山に登る好機ではないかと思った次第です。これがひとつ目の理由。
毎年ゴールデンウィークに登る山選びには苦労します。この時季、泊りで登るような標高の高い山はまだ山頂が雪に覆われており、連休が終わるころには必ず登山者の「遭難事故」ニュースが流れます。怖がりな私は基本的に泊りの雪山登山はやらないので、選択肢が狭まるわけです。
今回は、台湾第二の高峰「雪山(シュエシャン)」に登る予定ですが、標高は富士山よりも高い3,886メートル。登山口からの標高差は約1,600メートルと、これまた富士山の五合目吉田口から登る標高差に比べると150メートルほど高い。
それにもかかわらず、緯度の関係で五月の時季でも山頂には雪もなく、おそらく日本アルプスの夏山のような、清々しい景色を堪能できる山歩きがたのしめそう。これがふたつ目の理由です。
ね、たのしそうでしょ(^^)。
というわけで、まずは台湾の国立公園への「入園申請」をします。
申請は下山日から起算して一ヶ月前の朝7時からエントリー可能。
冒頭にも書きましたが、台湾は山岳王国で入山するのに人数制限がある。加えて、いま台湾は若いひとを中心に空前の登山ブームだそうな。日本で何年か前に流行った「山ガール」みたいなもんか。
というわけで、入園申請も早い者勝ち。例えるなら、人気アイドルのコンサートチケット並みの競争環境なわけです。
私たちは5月6日に下山するので、その一ヶ月前の4月6日の朝が勝負。ちなみに、朝7時申請開始というのは台湾時間ですので、日本では時差の関係で朝の8時スタート。会社の同僚には申し訳ないのですが、私当日午前休をいただきました(^^;)。
4月6日朝、パソコンの前にスタンバイ。詳細を入力してEnterキーを押したのは台湾時刻で7時01分21秒。
結果はまさかの「宿泊地不足」。つまり定員オーバーの落選。
人数制限というのは、山中で宿泊する山小屋の収容人数の上限のこと。私たちは2泊予定で、そのうち収容人数の少ない「三六九山荘」は106人収容可能。つまり、1分21秒の間に106人の枠が埋まってしまったということですね。
ただし、私よりも先にエントリーしたひとも「待処理」となっていて、たぶん審査待ち。望みは薄いけど、仮に彼らの申請内容に不備があったりしたら我々にもチャンスが巡ってくるかもしれない。
そして、二日後。
私たちも「待処理」になっていた!そしてさらに二日後、
メール添付のPDFで「入園許可証」が送られてきたー!
私たちが繰り上げ当選された理由はよくわからないけど、これで「入園許可」は下りた。でもまだ終わってない。次は現地警察への「入山許可」を申請しないといけない。実は、こっちのほうが大変だった。
入園許可のほうはサイトも日本語表記が選べたのですが、現地警察の入山許可申請のサイトは中国語表記しかない。審査結果は中国語のメールで届くのですが、なぜ許可が下りないのか理由が分からない。何度か失敗して、それでもなんとか「入山許可証」もゲット。いやー、雪山(シュエシャン)意外と遠いぜ。
入山許可証
あとは、登山口までの交通機関の手配。雪山の登山口がある武陵農場までは台北からバスで4時間程度。早朝のことなのでバス予約しておいたほうがよいかと思ったのですが、ネット予約の仕方がよくわからない。往復のバスだけ予約したいのに、観光ツアーのサイトに自動的に飛んでしまう。
それ以外の手段を調べると、ネットに出てくる情報としては「現地のセブンイレブンの端末で予約できますよ」というものばかり。というわけで、これは台湾の身元引受人である友人に依頼。
友人にはほんと感謝感謝です。
最近の海外旅行で気になるのは、ネット接続環境。昨年のハワイ島では、ポータブルのWiFiルータをレンタルしましたが、今回は旅行中ほぼ山の中で、スマホでネット接続する機会はたぶん2日間程度だと思う。とすれば、6日間WiFiルータを借りるよりは、海外ローミングの定額プランで必要な時だけ接続するほうが割安ですな。
山小屋での水の確保は問題なさそう。
あとは天気次第。たのしみじゃ。
<台湾登山の記録へ、つづく>